自費治療
保険証のあるなしに関わらず治療費全額負担。
保険が適応されないので、医院の請求全てをご自身で負担しなければなりません。
自費診療・保険外診療とも言われます。これらは日本だけで用いられる特殊な名称です。
「保険診療と自費診療の差は、材料の違いだけ」と誤解されている方が多いようですが一般的に歯科の自由診療には以下のようなものがあります。
- 金合金製の冠・詰物
- メタルボンド冠(白い焼物の冠)
- 金属フレームの入れ歯
- 歯列矯正
- インプラント
- ホワイトニング
- 予防歯科
- オールセラミックの冠・詰物
- ノンクラスプの入れ歯
また、顕微鏡を用いた精密歯科治療もそのひとつです。顕微鏡を用いる事ではじめて精密な歯科診療が可能となり、本当に価値ある自由診療が提供されます。
例えば予防歯科も、健康保険では2ヶ月に1度、15分の施術しか受けることができません。 残念ながらこの短い時間内で問題が解決する方はほとんどいません。
簡単にまとめると、自由診療とはその歯科医師が自分自身が受けたい治療、または、身内におこないたい治療方法です。
自費治療の目的
歯は、一生の間に何度も再治療ができる臓器ではありません。一度削られたり、抜かれたり、あるいは詰められたりかぶせられたりした歯は、二度ともとの健康であった時の歯(の状態)に戻ることができません。 一生の間に、このようなことを数回くり返すとどうなるでしょう? 次々にご自分の大切な歯を失い、最後には総入れ歯に辿り着くことになります。
自費診療の目的は精度の良い修復物を入れて、治療のサイクルを長くし生涯の治療回数を減少させることです。また、見た目を自然にしたり、より綺麗にしたりということもあります。
自費治療で治療すれば一生もつか?
「自費診療で治療すれば一生もつか?」ということを聞かれることがありますが、天然のものであるご自身の歯が保たなかったものが人工物である修復物が一生もつかどうかはわかりません。
酸性・アルカリ性のPH変化、熱い・冷たいなどの温度変化、24時間常に唾液で水浸し、さらに体重くらいの負荷がかかるという非常に悪条件の中で使用するのです。セラミックは変化しませんが、セラミックが入っている人間の方が常に変化しています。
変化するものとは、①歯肉 ②歯槽骨 ③かみ合わせ ④顎関節 ⑤歯磨きの状況 などなど・・
だから、セラミックは変化するものの中にはいっているので、状況に応じて変化させるべき時に変化させてあげないと、セラミックの寿命は早まります。具体的には、定期的にメンテナンスを受けて頂くことが大変重要で、時にはかみ合わせ等を調整していくことも必要となります。
保険治療で行うよりも、自費診療で良い材料・薬剤を用いて時間をかけて治療し、上手な技工士が製作したものは、同じ条件であれば、 そうでないものよりも確実に長期間使用できます。そして、そこにはさらに審美面・快適さも加わります。
自費治療=“高い”は本当?
歯が少ない人ほど歯科医院にたくさん通っているという、不可思議なデータがあります。歯科医院に行けば行くほど、歯がどんどん悪くなっていくという矛盾した現実があるわけです。
たとえば、一般的にインプラント費用は高いという印象があるようですが、本当にそうなのでしょうか?
周りの自分の歯に影響が少なく、まるで自分の歯のように噛めるインプラントは定期的なメンテナンスをしていれば、その後大きな治療をする必要もほとんどありません。
また、治療費や診査費は医療費控除の対象になりますので、場合によっては確定申告によって半分以上戻ってくることもあります。
本質的に長期的に見た場合、決して自由診療は高いとは言えません。
歯科医院によって費用が違うのはなぜ?
インプラント、セラミッククラウン、ホワイトニング等の自費治療では、歯科医院により費用に差があります。 費用が安いにこしたことはないのですが、使用している材料、製作物の精度等をより良くしようとすると当然費用も高くなってきます。お口の中に長期間入っているものですので、安全で確実に長持ちする補綴物だけを当院では扱っております。見た目だけでなく、患者さまには見えない部分に手間をかけて治療をしているかが実は重要なことなのです。
保険診療の場合、歯科医師国家試験に合格すればすぐ行えます。卒業したての歯科医師と、卒業して20年間、特殊な技術を習得するための研修会、講習会に参加したり、最新の情報を常に得るために様々な学会(海外も含め)に参加し日々努力してきた歯科医師、どちらも同じ保険治療を行うのです。
選択するのは患者様
保険診療を選ぶのも、自費診療を選ぶのも、選択するのはあくまで患者さまご自身です。良く説明を聞き、信頼できる歯科医院を見つけるまで、数軒の歯科医院で説明をお聞きになることも良いかと思います。
保険診療には保険診療の良さがあり、自費診療には自費診療の良さがあります。どちらが良いかはその人の価値観により決定されることで、私たちは情報を提供し、患者さまが選択したその範囲内で出来る限り最善の治療を行うことです。
自費診療の方が結果的に安くつくことが多い
保険では予防治療ができないことに言及させていただきました。また、口腔内の環境が悪いと重大な全身疾患に繋がることもご理解いただけたと思います。また、虫歯や歯周病を放っておくと最終的に歯が抜け落ちてしまうことになります。その状況をさらに放っておくと、抜けた場所にかかる力が周りの歯にも影響を及ぼし、健康な歯まで悪くしてしまいます。ブリッジで考えてみましょう。
ブリッジは名前のごとく抜けた箇所の両隣りから橋をかけるように補う治療です。この場合、両隣の健康な歯を削らないといけない他、抜けた箇所にかかる負担を両隣の歯が受け止めるわけですから、当然よくありません。最終的に周りの歯が抜けてしまい、それであれば最初から1本のインプラントを埋入していたほうがよほど安くついたわけです。
そもそもしっかりと予防していればインプラントすらしなくて済む可能性が高いということおわかりいただけたでしょうか。コスト面だけでなく、機能性や審美性の向上、そのほか、コンプレックスなどの精神的問題解決や、美味しい食事など、決して保険診療では成し得なかったものを自費診療では手に入れる事ができるのです。